通勤時間を活用してポータブルDVDによる車内鑑賞、そしてアンドロイドタブレットを使っての車内執筆を実行中。
そんな鑑賞途中のダイレクトな印象を
ツイッターで「実況」。
ここではタイムラインに分散していた つぶやき を1つにまとめて
「鑑賞中ツィート」 としてアップ。
作品を鑑賞し終えた後、映画の全体的な構造を俯瞰しながらこの
「鑑賞中ツィート」 を再構成して感想文の体裁はしているが、中間生成物的な
「未完成レビュー」 として、3回に分割してアップ。
最後に、これらの分割された文章を推敲して1つの有機的文章となる
「完成!レビュー」
へと変容していく様をご覧下さい。
今回は 「鑑賞中ツィート」 を再構成した 「未完成レビュー」 を3回に分けてアップしていきます。
第1回目
小学校受験の親子面談からこの映画は始まる。
何てイジワルなんだろう。
そう思いました。この家族は程度の良い私立小学校を志願できる素養を持っていることを、これ見よがしに訴求してきたのです。
今作のテーマは 「子供の取り違え」。
私立小学校を志望しているこの家族の対になるもう一方の家族は
対象的な立場として登場することが容易に推測が付く 。
そして福山雅治演じるこの父親の勤務先や高級高層マンションの自宅もその 「対比」を想像してしまう。
そんなこの家族の悲劇は、
この家族の幸せの絶頂の少し前
をわざわざ選んでやってくる。どこまでいじわるなのだろうか。
私立小学校合格直前。大きな困惑の中、合格を知る。しかもその合格した我が子は、
我が子ではないかもしれない。
という宙ぶらりんの不安。
複雑な思いの中の祝杯。この上もなく残酷な舞台設定でした。
そして、「残酷な舞台」 と、前述の「対比」 を訴求したのがまさに、
取り違えを告知する場面でした。
舞台はホテル。結婚式出席者のおめでたムードと扉1枚隔てた部屋だったのです。
DNA鑑定を経て正式に「生物学上の親子」 を否定された彼らは片割れの家族と面談。
スマートな福山家に対比されるのがリリー・フランキーの家族。野暮ったさを醸し出しての登場でした。
会談の最中、「こうゆうケースは最終的には、100%、ご両親は、交換という選択肢を選びます。」 との発言受けて、
今作の主人公達の終着点はやはり
「子供の交換」
なのかという予見が生じてきたのです。
しかし、この時点で、このようなネタばらしのセリフをわざわざ入れてきた意義があるはず。と心のアラームが鳴った瞬間でした。
この会談の後、今作は分かりやすい 「対比」 を訴求してきました。それが、2つの家族が家路に戻る際に乗り込む自動車。
スマートな福山家が乗り込むのがカッコイイ スポーツタイプ車。
一方の野暮ったいフランキー家はお店で使っている社用車。
今後このような「対比」 を折々に提示してくることでしょう。そしてきっと、様々な 「対比」 の数々によって、2つの家族の歴然とした 「格差」 があぶりだされていくのでしょう。
「子供の取り違え」 という共通のアクシデントを発端にして、 「経済格差」 という問題点を提示。それによって、福山家とリリー・フランキー家の関心事が違っていくことを認識することになります。
福山家は、育ての子と血縁の子、二人の確保。
一方のリリー・フランキー家の関心事は 病院側からの慰謝料の金額
でした。
一方は子供二人の確保。他方は慰謝料。
まさに 「経済格差」 によって生じたあからさまな 「相違」 でした。
今後 「二人の子供の確保」 の思惑と 「慰謝料の金額」 の思惑がどのように動いていくのか、注目をしていきたいと思ったのです。
二つの家族の関係は 「子供の(一泊)交換」 へと進んでいきます。その中で明らかに、ある人物の印象が変化を見せてきました。
その人がもう一方の父親リリー・フランキー。
実に人間味溢れる人物として表現されてきたのです。
そしてリリー家の嫁も、当初のガサツな印象から、大らかな優しさを持った女性として表現されてきたことに大いに興味を持ったのです。
「子沢山で貧しいが、人間味溢れる人達」 としてキャラクター変更してきたのです。
これに伴い、福山家の面々も立ち位置が変わってきました。
一泊交換後の 慶多 (福山家育ち・実はリリー家実子) にリリー家嫁の人柄を聞きたがる福山家嫁。相手家族に圧倒されている気配を感じました。
肝心の福山は、リリー家で 慶多 (福山家育ち・リリー家実子) がかすり傷を負い、リリー家からの謝罪がないことに立腹。度量の狭い男のような表現がなされていったのです。
一泊交換によって
両家の関係が微妙に変わっていったようです。
物語は進み、4月。 慶多 (福山家育ち・リリー家実子) の私立小学校の入学式の日を向かえました。福山家にやって来るリリー・フランキー。初登校の様子を嬉々としてビデオ撮影をする姿を見て彼を応援したい気持ちになっていきました
このシークエンスをキッカケとして今作は拙速気味に二人の父親の関係を語り始めてきたのです。
頑なで仕事偏重の福山に 「家族の絆」 を問うリリー・フランキー。
返す言葉で 「二人ともくれ」 と言う福山。
突如、険悪な雰囲気か! と思ったらやられました。
「二人ともくれ」 と言われたリリー・フランキーは激怒かと思いきや、「ペシッ」 と福山を諌めるように頭の上を叩いたのです。
そして 「金ならある」 と言う福山に対して、まっとうに常識的な言葉で諭すのでした。
ステイタスは福山の方が上なのでしょうが、人間性においては一枚も二枚も、リリー・フランキーの方が上にあることが分かった瞬間でした。
少しずつですが、福山が野暮ったく、リリーがカッコ良く見えてきたのです。
当初、気になっていた 「経済格差」 は、
夫々の 「人間性」 という関係に
反比例してきたようです。
面白い展開です。 あっ!でも、もっと興味深い展開を今作は提示してきたのです。それは唐突な広がりでした。
病院との訴訟での場で爆弾証言がなされたのです。
元看護師が故意に 「子供を交換」 した。との告白がなされたのです。
福山家とリリー・フランキー家の 「差」 を追ってきた今作に、突如としてその 「差」 を創出してきた元看護師という存在が降臨してきたのです。
元看護師によると、福山家が余りにも幸せそうで、故意に 「子供を交換」 したとのことなのです。
今後、「子供の交換」 「両家の差」 「創造主・元看護師」 の関係がどのように展開していくのかを注目したいと思ったのです。
しかし、今作が訴求してきたのが、「福山の父親の存在」 でした。ボクの興味の対象からズレていったことに、大きな失望感を味わいながらも、「福山の父親との」 関係を見ていくとそこには、
「血の繋がり」
という問題にいきついていたので。 琉晴 (リリー家育ち・実は福山家実子) との「血の繋がり」 を力説する父親。
しかし
「血の繋がり」 のある父親に
反発している福山
という図式も浮かび上がりました。
その2に続きます。
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