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通勤時間に、ポータブルDVDを活用しての通勤快速内鑑賞を、ウインドウズタブレットで執筆を行っています。 鑑賞中の直感的な感想をツイッターで 「実況」 → 鑑賞後、作品を俯瞰して 「未完成レビュー」 → そして推敲して 「完成! レビュー」 へと3回の過程を経て完成させていく様をご覧くさい
完成! 「見知らぬ乗客」 
2006-08-03 Thu 00:56

                   見知らぬ乗客




通勤時間を活用して、ポータブルDVDプレイヤーを使っての地下鉄内鑑賞にいそしんでいます。

分割しての鑑賞であるため、感想文も分割となっています。





                    第1回目 7月18日(月) 

 

「裏切られるかも?」 という心持ちです。

「交換殺人」という言葉が出て来た序盤は、どのようにしてブルーノはこの 「交換殺人」 をガイに承服させるのか?
どんな知的駆け引きで、ブルーノの思惑に屈服させるのか?
と、この悪役の弁舌さわやかな能力に、映画の行く先を託したのですが、
あれ!? 「交換殺人」 の契約調印も成されない内にガイの奥さんをブルーノは殺してしまいました。

         
           なぜだ?


と思いました。が、きっとこの殺人を交渉ネタにブルーノは緻密な知能戦や、実力行使をも含めて、
「交換殺人」 を拒めない状況に追い込んでいくはず、息を呑む攻防が繰り広げられるはず、と思い込んでいたら、
「早く親父を殺してくれっ!」 と言わんばかりに、家の見取り図と拳銃を送りつけ、ストーカーのようにつきまとうだけなのです。
昨今の2時間サスペンスドラマに慣れている身としては、「何の精神的圧迫にもなって無いじゃん!」 と


          不満噴出。


心理的駆け引きが希薄であることが露呈するにつれ、1番最初の言葉
「裏切られるかも?」 という不安に苛まされているのです。

一縷の望みとしては、ブルーノが殺したガイの奥さんはメガネを掛けていたのですが、同じようにメガネを掛けている女の子に対し、フェチ的傾向? が見受けられるので、異常者としての知的な展開が難しいのなら、「殺人を犯した」 ことによるフェチ的嗜好性を思う存分、発揮してほしいなと思うだけです。
(せいぜい) がんばれブルーノ!!


                  第2回目 7月19日(火)


         見事 「裏切られました!」


ブルーノの知的方向への停滞は予測通りでしたが、クライマックスのメリーゴーランドでのシークエンスは実に素晴らしく、この映画に対する 「無理かな?」 と思われていた大方の世論を見事に 「裏切って」 くれたのでした。

そもそも、オープニングの車内シーンが非常に素晴らしく、これから始まる 「交換殺人」 というトリッキーなサスペンスに相応しい高貴さを持ち、ブルーノがあたかも上級犯罪人であるかのような幻想を見せてしまったのです。まーこれがそもそもの誤解の元凶ではあるのですが.....。
結局ブルーノは 「小悪党」 の領域を超えることはなく、心地よい迷宮など、望むべくも無かったわけです。そんな諦めムードにあの
 

       メリーゴーランド攻撃。


一度、侮った相手からの、いきなりのカウンターパンチであったわけです。
冷静になって考察すると、ブルーノが犯した早すぎる殺人が、「遊園地」 において行われたところから、このうれしい 「裏切り」 が 始まっていたのですね。



       「 楽しい ・ うれしい 」


という気持ちを共鳴させる象徴的な場所での、殺人という極北の行為から始まり、その現場にあるメリーゴーランドという、「楽しい・うれしい」
を共鳴させる装置が、一発の銃弾で、


       恐怖拷問器具


へと豹変する様は、日常や常識の中に、表裏一体となって潜んでいる、「恐怖・危険」 を端的に表していたのです。 
えっ!


      「日常恐怖」  ですって? 


ということは.............
 

ブルーノはほどほどの小悪党でちょうど良かったのでは?、と唐突に思い返してしまいました。
ブルーノというどこにでもいるような、ほどほどの小悪党が、ガイとの偶然の出会いを契機に、ストーカー的な、執拗で常識を超えた関わり合いを、憑り付かれるようにエスカレートさせてしまった、という映画だと思えばよいのでしょうか?
これって.........、

かもね...........。



                                           見知らぬ乗客2 

 

                                         見知らぬ乗客3 

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