2006-08-20 Sun 10:06
8月15日(火) 第1回目 「真っ黒な画面に韓国庶民の歌声が聞こえ始めると、さっと早いフェイドインで移民ひしめく船の甲板を俯瞰で捉えた画面が映し出される」 このファーストシーンだけで、この映画は傑作に間違いない。と確信したのでした。時はまさしく「富国強兵」の時代。ヒステリックなほどの工業化重視、効率重視、生産性重視 の国策の元、"よそもの”の彼らは「安い労働力」としかみられない時代で、先行き多難な彼らの未来を的確に予見した秀逸のファーストシーンだったのです。 この素晴らしいファーストシーンから、この映画はどのように展開するのかなと楽しみにしていたのですが、横暴、横柄、不埒なあのオヤジの傍若無人なる振る舞いの数々を見せられる一方なのですよ、これが.......。 ファーストシーンに登場するあの青年に「大日本帝国・富国強兵」というファクターが作用してあのオヤジが出来上がるわけですから、大正、昭和にかけて、韓国・朝鮮の移民の人たちを「大日本帝国」はいかに扱ったのかは予測をすることができます。しかし、あくまでもマクロ的?な理解なので個人的レベルでのオヤジの生成要因をこの映画が語ってくれないことに、納得のいかない思いでいるのです。 北野 武 のオヤジぶりは 凄まじく、激昂する異常さは格別、ドロ臭い格闘は最高!でした。しかしこのオヤジの存在が強烈すぎて、題名の「血と骨」を受け継いでしまう子供達の悲劇やジレンマの表し方が中途半端な感じがしてしまった。そこで血族という存在よりも、戦争未亡人で オヤジの二号となる キヨコ の生涯の方に興味を引かれていくのでした。お姫様と呼ばれるほどの美貌を持ちながら、夫が戦死し、生きる為にオヤジの二号さんとなる。そして突然の脳腫瘍発病における寝たきり生活。そこにオヤジの三号さんの出現。三号さんに排泄物の世話まで受ける屈辱に耐えながらも、結局はオヤジに殺される。それも濡れた新聞紙を顔の上に乗せられての窒息死。オヤジに勝るとも劣らない凄まじい人生でした。 明日以降も、このオヤジの傍若無人さを見せつけられるとなると、いくら 北野武の演技が素晴らしいといっても気が重いのは確かです。 8月19日(土) 第2回目 あのオヤジに“生”を与えられた血族の中で、最もその人生を翻弄さてしまった者は、夫の家庭内暴力で死を選ぶ花子ではなく、ヤクザに命を奪われるオダギリ・ジョーでもなく、勿論、温泉街に逃げ込むこの映画の語り部であるはずもなく、 それから何年たったのだろうか、北朝鮮の寒村で、成長したあの男の子がオヤジの墓を掘る。いつも通りメシを食っていると、死の床でオヤジが初めて大阪を目の当たりにした時の夢を見ながら息を引き取る。しかし何の感慨も無く、メシを続ける男の子。そこには何の感情もなく、日常の“メシを食う”という行為が淡々と行われるだけなのだ。 秀逸なファースト・シーンと スポンサーサイト
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第11回山本周五郎賞を受賞した、梁石日の最高傑作である同名小説を映画化した「血と骨」をパッケージ化。1920年代、大阪の朝鮮人集落を舞台に“怪物”と呼ばれた男の、鮮烈にして壮絶場生き様を描いた作品。ビートたけし、鈴木京香ほか出演。R-15作品。 …
2006-09-30 Sat 08:30 DVDジャンル別リアルタイム価格情報
北野武ビートたけし(本名:北野武(きたの たけし)、1947年1月18日 - )は、東京都足立区梅島出身のテレビ司会者、お笑いタレント、映画監督、俳優、東京芸術大学大学院映像研究科教授(監督領域)、元漫才師(ビートキヨシとともに、ツービートとして …
2007-03-26 Mon 05:51 みちこの部屋
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